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第128話 藍星が見えてしまった。 

いつもどおり、一清は朱墨に薬を届けに来た。

薬を届ける際、一清は心が乱れているように見えた。

朱墨は一清に何度も話しかけたが、一清は聞いていないようで、自分の世界に没頭していた。

朱墨は眉をひそめて尋ねた。「一清先生、何か問題が起きたのか?」

普段なら、一清が非常に仕事に熱心な人で、このような状況が起きることがないと思った。

一清が我に返り、淡々と答えた「何でもないです」

このように口を閉ざしたような様子だったので、朱墨もそれ以上尋ねることはっできない。

彼は頷いて言った。「問題がなければいい。何か手伝えることがあれば、いつでも言ってください」

一清は軽くええと言った。それ以上は何も言わなかった。

翌日。

一清は例のように2人の子供を幼稚園に送った。

子供達が入っていくのを見送ってから、一清は先生を呼び止め、困ったように言った。

「先生、少し時間がありますか? お話したいことがあるのですが」

先生は優しく笑って「はい、何でも言ってください」と応じた。

一清は溜息をついて言った、「実は私は一人で2人の子供を育ててきました。子供達はとても分別があり、これまで私にトラブルを起こしたことはないんです。

ただ、昨日何か事件があったようで、剣夜からも聞きました。この年頃の子供は心が傷つきやすいので、先生にはどの子がどの子を悪者にしているのか、もっと注意してほしいんです......」

一清は具体的に何があったかは言及しなかったが、先生はその意図を理解した。

先生は頷いて理解を示した。

「分かりました。心配しないでください。しっかり目を配りますから、このようなことが二度と起きないよう気をつけます」と言った。

これを聞いて、一清は笑顔を見せた。

「先生、ご迷惑をおかけしてすみません」

「いえいえ、これは当然のことですから!」

帰宅後、どうしてか一清はなんとなく落ち着かない気持ちになっていた。

その不安な感覚がどんどん強くなっていく。

まるで、何か良くないことが起きそうな予感がするようだった。

……

昼過ぎ。

幼稚園の子供達は昼食を済ませ、先生に呼ばれて寝室に行って寝るよう言われた。

藍星は寝台の上で寝返りを打っているが、なかなか眠れない。

先生が近づいてくると、すぐに目を閉じて寝ているふりをした。

先生が立ち去ると、またすぐ
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